ご挨拶

九州全体のHIV医療向上のために

HIV感染症は、1990年代半ばよりの抗ウイルス剤の劇的な進歩、開発により、現在ではすでに死の病ではなく、服薬を継続しながら日常生活を送る慢性ウイルス感染症となってきております。しかしながらその一方、未だ持って全国では毎年1000人以上の方が新たに感染されているだけでなく、AIDSを発症するまで自らの感染に気がつかず後遺症を残してしまう患者さんも依然多い状況です。また未だ持って差別偏見の問題は大きく、本来受けられるべき医療や介護福祉などに大きな支障をきたしている患者さんも多いです。

九州医療センターは、平成9年より九州全体のHIV診療を総括する九州ブロック拠点病院に選定されており、平成22年から院内に「AIDS/HIV総合治療センター」を設置し、九州地域におけるHIV診療の向上を図るべく、活動しています。その活動は、九州における地域格差のないHIV診療体制の構築、各種専門家によるチーム医療推進など地域におけるHIV医療向上、先端的医療から地域における長期療養支援まで、差別や偏見のない社会の構築、最新の情報発信など多岐に渡っております。

今後さらに九州全体のHIV医療向上のため邁進していく所存ですので、よろしくご協力お願い致します。

国立病院機構九州医療センター
AIDS/HIV総合治療センター
部長 南 留美