ブロック拠点病院とは
1980年代前半、非加熱製剤を使用した血友病患者の4割、約2,000人もがHIVに感染しました。
1989年、血友病HIV感染者は、厚生省、製薬企業5社を被告とする損害賠償訴訟を起こし、1996年に薬害エイズ訴訟和解が成立しました。国は被害者救済を図るため、原告らと協議をしながら各種の恒久対策を実現させることを約束し、和解による恒久対策の1つとして、国内のエイズ治療体制が整備されることになりました。
1997年、エイズ治療・研究開発センター(ACC)が開設され、その後全国に地方ブロック拠点病院が設置されました。九州医療センターは九州地区のブロック拠点病院として、ブロック内エイズ医療の水準の向上及び地域格差の是正に努めています。
ブロック拠点病院の役割
①診療
- HIV感染症に関する専門外来の設置、HIV感染者に対する入院医療の実施、カウンセラーによるカウンセリングの実施、全科対応による診療等により、総合的な診療を実施する。
②研究
- 治験等の臨床研究を実施する。
- 薬剤耐性検査を含む、遺伝子レベルの研究・検査のできる遺伝子検査異質を整備する。
③研修
- ブロック内の拠点病院等の医療従事者に対する最新の治療方法に関する研修会、症例検討会、臨床実地研修等を実施する。
④情報
- エイズ医療ネットワークの活用等により、ブロック内の拠点病院、患者・感染者からの診療に関する相談への対応、情報の収集、提供を行う。