HIVと性感染症

性感染症とは

セックスをはじめとする性行為によって感染する病気のことです。性行為は多様化しており、膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)、肛門性交(アナルセックス)も含んでいます。性感染症はSTD(Sexually Transmitted Diseases)ともいわれることもあります。

一般的に性感染症に感染していると、HIVの感染率は数倍高くなるといわれています。またHIV感染後に他の性感染症に罹患した場合、その性感染症が重症化したり、治るまでに時間がかかるといわれています。またHIVにも様々なタイプがあるため、すでにHIVに感染している人も、繰り返しHIVに感染することがあります。

性感染症は必ずしも自覚症状があるとは限らない病気ですので、気が付かないうちに感染していたり、人にうつしてしまっていることも考えられます。性感染症を防ぐためには正しい知識を持って予防すること、早期発見・早期治療のために、定期的な検査を受けることが大切です。

性感染症を予防するために

コンドームで予防する

コンドームを使うことが一番現実的で確実な方法です。しかし正しく使用しないとかえって感染の危険性が上がることもあります。また、のどに感染を起こす性感染症もありますので、オーラルセックスの時も男性器にはコンドームを、女性器にはラップ等を使用しましょう。

お酒や薬物による影響

飲酒で酩酊状態の時やドラックを使用してのセックスは注意力や自制心を低下させるので避けましょう。

性感染症の検査

  • 無症状の場合もあるので、
    定期的に検査を受けましょう。
  • パートナーやセックスの相手と
    一緒に検査を受ましょう。

おもな性感染症

病名 感染経路 症状
梅毒 性器同士の接触、膣性交、アナルセックス、オーラルセックス
1期
感染3週間~3か月の時期に、性器、肛門、口などに0.3~3㎝のできものができ、その後1か月くらいで自然に消える
2期
感染3週間~3年の時期に手のひら、足の裏、体に赤い発疹ができき、その後半年以内に消える
3期
感染3~10年の時期に体の中で炎症が進行
4期
感染10年以降に脳や心臓に病変ができることがある
クラミジア 性器同士の接触、膣性交、アナルセックス、オーラルセックス
  • 症状が出ないことがある
  • 排尿時の尿道の違和感、尿道からの膿
  • 女性は不正出血、下腹部痛など
淋病 性器同士の接触、膣性交、アナルセックス、オーラルセックス
  • 排尿時の尿道の違和感、尿道からの膿
  • のどへ感染することもありのどの痛みや違和感がでる
アメーバ赤痢 肛門をなめたり、肛門に触れた性器や指をなめること
  • 下痢及び軟便(血液が混じることあり)
  • 発熱
単純ヘルペス 性器同士の接触、膣性交、アナルセックス、オーラルセックス
  • 唇や陰部に痛みを伴う水ぶくれ
  • 発熱やだるさ
  • 症状が出ないことがある
急性A型肝炎 肛門をなめたり、肛門に触れた性器や指をなめること
感染力が強く、感染している人との接触のみで感染することがあります
  • 発熱、だるさ
  • 白目や皮膚の黄染(黄疸)
  • 尿が濃くなったり、便の色が薄くなる
急性B型肝炎 膣性交、アナルセックス
感染力が強く、血液、体液を通して感染する
  • だるさ
  • 白目や皮膚の黄染(黄疸)
  • 尿が濃くなったり、便の色が薄くなる
C型肝炎 血液、体液を通して感染するが感染力は弱く、性行為での感染はまれ
アナルセックスなど粘膜の損傷が伴えば危険性は高い
  • だるさ
  • 白目や皮膚の黄染(黄疸)
  • 尿が濃くなったり、便の色が薄くなる
尖圭コンジローマ 感染している人との接触、膣性交、アナルセックス
  • 陰部や肛門周囲に痛みのないイボが複数できる
毛じらみ 感染している人の陰毛との接触
  • 陰毛や体毛の生えているとこのかゆみ、生え際に発疹