HIV感染症と社会資源について

HIV感染症の治療費の負担を軽減するために利用する制度

身体障害者手帳(障害名:免疫機能障害)

身体的障害がある人に交付される手帳で、障害福祉サービス・自立支援医療等のサービスを受ける際に必要です。HIV感染が確認され、一定の免疫・症状にあり、その重症度に応じ1~4級と判定(指定医の診断書に基づく認定)されます。

手帳の障害名には免疫機能障害の他様々な種類(視覚・聴覚平衡機能・音声言語そしゃく機能・肢体不自由・他)があり、基準を満たした場合認定されます。

  • 判定には4週以上あけた2回分の血液検査が必要です。
  • 等級は1~4級まであり、CD4やウイルス量その他の検査データ、日和見感染症、臨床所見等を基に判定されます。
  • 申請後、交付まで1~2ヶ月かかります。但し制度は、申請日までさかのぼり適用されます。
  • 交付されると医療費助成制度(自立支援医療重度障害者医療費助成等)、交通機関や公共料金の割引、税金の控除、その他障害者福祉サービス等が利用できます。
  • 諸手続きはプライバシーに配慮し行います。ご心配なことがありましたらソーシャルワーカーもしくは役所担当者へご相談ください。

申請に必要なもの

  • 申請書(本人記入)
  • 診断書(医師記入) ※診断書料 6,600円
  • 証明写真(3センチ×4センチ)1枚
  • 申出書

窓口

住民票のある市区町村の障害福祉担当課(福岡市は各区福祉介護保険課)

身体障害者手帳交付まで

出典:「医療・福祉・介護制度活用ブック」九州医療センター地域医療連携室

自立支援医療

抗HIV治療にかかる医療費を軽減する助成制度です。身体障害者手帳(免疫機能障害)を取得されている方が申請できますので、身体障害者手帳取得後、または同時に申請してください。服薬開始が申請のめやすです。

  • 自己負担額は前年の所得によって1か月あたりの自己負担限度額は以下5段階になります。
    [ 0円・2,500円・5,000円・10,000円・20,000円 ]
  • 入院⇔退院などでは変更の申請、保険証の変更、転居、転院などで変更申請が必要です。
  • 有効期限は基本的に1年間です。毎年更新の手続きが必要です。
  • 病院、院外調剤薬局を1か所ずつ登録します。登録以外では使えません。
  • 申請から交付決定は約1~2ヶ月かかります。その間の診察費は、一時保留といたします。
    決定後通知を確認させていただいたうえで精算をしていただくことになります。
  • 諸手続きはプライバシーに配慮し行います。ご心配なことがありましたらソーシャルワーカーもしくは役所担当者へご相談ください。

重度障害者医療費助成

身体障害者手帳で重度障害に該当する方(福岡市は1~2級)の医療費の自己負担を軽減する助成制度です。自立支援医療はHIV治療に関する治療に限定されていましたが、重度障害者医療費助成はHIV以外の治療にも適用されます。地区町村によって自己負担の上限額が異なります。
(例:福岡市は負担なし。但し所得制限あり)

HIV治療は自立支援医療の利用も必要ですが、調剤薬局によっては自立支援医療・重度障害者医療を同時に利用できないことがあります。その場合は、自立支援医療の自己負担上限額まで支払い、お住まいの市区町村役所で払い戻しの手続きをしていただくと、自己負担分は返金されます。詳細は役所または病院のソーシャルワーカーにお尋ねください。