HIV感染者の日常生活注意点

休養

一日の疲れを翌日まで持ち越さないよう、睡眠を十分にとりましょう。仕事や学校は、自分の体力に合わせて調節しましょう。無理をせず、疲れた時には休息をとりましょう。

禁煙

タバコを吸うことでストレス解消している方も多いと思いますが、喫煙は各臓器や組織に障害を起こし、癌や心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患、肺気腫などの閉塞性肺疾患を起こしやすいといわれています。喫煙しているHIV感染者はHIVよりも肺がんで死亡する確率がはるかに高い報告もあります。喫煙中の方は是非禁煙をお勧めします。

趣味と娯楽

ストレスをためないためにも、趣味・スポーツなど今まで行っていた娯楽を楽しみましょう。体調が悪いときには無理をせず、まず医師に相談してください。

口の清潔

口の中は身体の他の変化に先駆け、比較的早く現われます。HIV感染があるとだ液分泌量が減って不潔になりやすく歯周病など口腔内の症状がでやすいとも言われています。毎日、口の中を鏡でよく観察しましょう。早期発見が大事ですので、症状があれば早めの診察を受けましょう。また、毎日の歯磨きも丁寧に行いましょう。

血液などの取り扱い

血液・精液・膣分泌液・母乳が付着した物の取り扱いは自分でしましょう。もし人に頼む場合は、ゴム手袋やビニール袋を使って処理してもらいましょう。血液などが付着したゴミを捨てる場合は、必ずビニール袋に入れて捨てましょう。血液が付着しやすい歯ブラシ・かみそり・ピアスは貸したり借りたりしないようにしましょう。

洗濯もの

特に区別する必要はありません。血液などが付着した物や、激しい下痢や痔などで便に血液が混じる場合に汚れた下着類は、ハイターに30分以上つけた後、洗濯しましょう。

ペットの飼育

ペットは注意して飼育すれば避ける必要はありません。しかし、猫、鳩などの糞に、日和見感染の原因となる菌が存在していることがあるので注意が必要です。 下記の点に注意しましょう。

ペット飼育時のチェックポイント

  • ペットの糞の後始末はできれば家族に頼みましょう
  • 自分で行う場合は、手袋とマスクを使用しましょう
  • ペットを触った後は、必ず手を洗いましょう
  • ペットのトイレは、月に一度熱湯消毒しましょう
  • ゼリーシーツや砂は毎日取り換えましょう

性行為

愛する人との性行為は制限をする必要はありません 。ただし、性交渉中に精液・膣分泌液・血液が、口の中や直腸、膣などの粘膜に触れると感染の原因となります。これを防ぐために、性行為の始めから終わりまでコンドームを正しく使用することが有効です。HIV以外の性病予防にも有効です。セックスや性病予防、パートナーとのつきあい方など、ご遠慮なく医師、看護師などに相談して下さい。

コンドーム使用のチェックポイント

  • 使用期限を守りましょう
  • 携帯する時は財布などで保管することを避け、摩擦しないところに入れて持ち歩きましょう
  • 直射日光の当たる車の中や防虫剤を入れたタンスの中に入れることは避けて保管しましょう
  • 種類やサイズなど自分にあったものを使用しましょう
  • ワセリン、ベビーオイル、マーガリン、日焼けオイル、ハンドクリームなどの油性の潤滑剤を用いないよう注意しましょう
  • 使用する時はコンドームの精液止めをつまんで空気を出してつけましょう
  • 最初から最後までつけましょう
  • 再使用してはいけません